HEAT PIPE

わずかな温度差で効率的に熱を伝導するヒートパイプ。
1970年代アメリカから導入されたこの技術は今日、電子機器、産業機器、交通インフラなど様々な分野で使用されています。
弊社では性能に優れたワイヤーウィックを採用し、性能、信頼性の面で国内外において高い評価を得ています。

ヒートパイプの作動原理と構造

ヒートパイプは容器内に少量封入された作動液体の蒸発・凝縮の相変化で熱を輸送します。  
  1. 蒸発部に加えられた熱により、作動液が沸騰し、このとき蒸発熱として入力される。
    (作動液体は減圧封入されているので容易に沸騰する。)
  2. 圧力差が少しあるので、蒸気が蒸発部(高温側)から凝縮部(低温側)へ移動する。
    (蒸気による熱伝達は金属の熱伝導のスピードを大幅に上回ります。)
  3. 凝縮部(低温側)へ到達した蒸気が凝縮することにより、凝縮熱が放出される。
    (高温側から低温側へ熱を輸送し、温度差を解消します。)
  4. 凝縮した作動液はウィックの毛細管現象により蒸発部(高温側)へ戻る。
    (温度差が解消されると作動停止します。)

 
※ヒートパイプ自体が発熱・冷却することはありません。
※蒸発部(高温部)、凝縮部(低温部)ともに部位は関係ありません。

ヒートパイプのウィックについて

片岡線材では毛細管力に優れたワイヤウィックを採用しています。
ワイヤウィック型ヒートパイプの断面写真

ヒートパイプの種類と温度領域表

使用温度領域によりヒートパイプの種類は決まります。
 

*1 400℃からナフタリンの分解が進みます。
*2 内部にてガス発生することにより性能が劣化しますので、1年間で交換してください。
*3 最高使用温度は310℃。取扱注意。事前に技術的な打ち合わせをさせて頂きます。φ6mm, φ8mmのみ。
*4 一般的なヒートパイプの最高使用温度は200℃まで。
*5 銅-水タイプとの混同にご注意下さい。

[作動液の蒸発潜熱について]
水=539.5(cal/g)、エタノール=262.8(cal/g)、ナフタレン=79.9(cal/g)

ヒートパイプの外観形状

ヒートパイプの種類・形状により端末部分の形状が異なります。
■ステンレス-ナフタリン
外径φ6~φ32mm

 
■鉄-水
外径φ6~φ32mm

 
■KN1
外径φ6mm,φ8mm
 

■銅-水
外径φ2mm,φ3mm

外径φ4mm,φ5mm,φ8mm

外径φ6mm

外径φ10mm~φ32mm
 

 
 
※ヒートパイプの直径公差はヒートパイプの種類・直径により決まりますのでご相談ください。
※ヒートパイプの長さ公差は全長L(+0~-2)mmです。

ヒートパイプの取扱い上のご注意

ヒートパイプを安全にお使いいただくために温度管理にご注意ください。

ヒートパイプの作動液が水の場合、容器内の圧力は使用温度の水蒸気圧になります。
水蒸気の臨界圧力は、225kgf/cm2 at 374℃と極めて高圧危険です。
このため、銅-水型ヒートパイプの
最高使用温度は200℃と定められています。
片岡線材では200℃以上での用途のため、特殊銅合金及び鉄パイプで容器強度を高めた高温用ヒートパイプを開発しました。最高使用温度は310℃です。それ以上の場合にはステンレス-ナフタリン型ヒートパイプをご使用ください。


KN1型・鉄水型ヒートパイプの取扱説明安全のため、必ず最高使用温度以下でご使用ください。
温度管理が出来ない場合は、ヒートパイプのご使用はご遠慮ください。

 

ヒートパイプの熱輸送量

当社独自のワイヤーウィックが不利な姿勢時に効果を発揮します。




 
(参考値)